経営者と従業員の立場の違いを誤解する瞬間があります。
経営者のように従業員が扱われてしまう場合があります。
本人も会社を代表するつもりで懸命に対応する時があります。
このいかに対応するかという意識のレベルを決めるのが経営です。
従業員は実践する役割です。
先日の店員も、説明するまでもないようなことに、大真面目に対応していました。
時給は変わらないけれども、できる対応はやっているのです。
「できません。」
だけで終わりにしようとしたわけではないのです。
なぜでしょうか?
たぶん、規範意識と言ってもいいような共同体の構成員としての意識があると思います。
結果は、ほとんどの場合、自分の処遇には影響しないにもかかわらず。
こういったお客に対応するレベルをどのように設定するかというのは、経営者が考えることです。
高い方がよいとか低い方がよいという話ではありません。
経営者が意識しようとしまいと、経営者が対応すべきレベルを決めるのです。
従業員は、経営者が設定した(はずの)対応レベルで現場で対応するにすぎません。
現場で具体的な対応をするのは従業員です。
対応が拙く、本来取りこぼすべきでないお客を取りこぼしてしまう効果は、従業員にではなく、現場で対応をしない経営者に顕れます。
コンビニの女性客が、悪態をついて出て行き、「もう来ない」となってしまっても、従業員は痛くもかゆくもありません。
効果が帰するのは、経営者です。
だからこそ、経営者は、自分の裁量で従業員を採用し、配置し、対応を任せるのです。
組織を作り、採用し、配置しコントロールするというのは、経営者の権利であり義務です。
そして、結果として組織で起こる全てについて、責任を負うのです。
従業員が、経営者について嘆いても始まりませんが、
それ以上に、経営者が従業員を嘆くのは、天に唾するようなものなのです。