新規事業のアイデアを評価する場合、いくつかのポイントがあるはずですが、既存の事業にまで深刻なダメージを与える可能性があるものは、債権の回収リスクです。
人材の面で、本業に配慮しつつ、新規事業に如何に人材の配置ができるかというのは、事業の計画段階で決まることです。
また、同様に、資金面での負担も、新規事業アイデアを評価する時点で、ある程度の見通しが立つはずです。
しかし、債権の回収リスクについては、新規事業の検討段階で、意外に過小評価されがちだと思います。
私どものお問い合わせでは、営業面での懸念が寄せられることがあります。
これには、できるだけ程度丁寧に回答するようにしていますが、実際には、事業を始めてみなければ、わからないことです。
如何に、調査してみても検討を重ねても、分からないものは分かりません。
ですから、「見込む」しかありません。
そして、多くの新規事業ネタを評価する場合には、売り上げ見込みは、そのまま収益の見込みに反映します。
つまり、債権回収率は、100%として予定されるのです。
しかしながら、実際に、債権の回収を全く疑う必要のない事業は、ごく僅かなはずです。
多くのビジネスでは、売り上げた後に、売り上げの回収の段階が控えています。
むろん、売り上げが予定通り入金されることを予定しないのでは、ビジネスは成立しません。
疑いの眼で、相手先の見極めにばかり時間をとられていたのでは、ビジネスは進展しません。
しかしながら、現実的には、債権の回収が滞る事態は、経営者として、「予想だにしない出来事」ではないはずです。
このことを考慮に入れず、新規事業ネタを評価するというのは、ありえないはずです。
如何でしょうか?