現在の放課後等デイサービスにも受け継がれる障がいのある子どもの放課後施策である「障害児タイムケア事業」は、子どもの療育と保護者の負担軽減の双方を図った放課後施策であることが特徴でした。
「障害児タイムケア事業」の制定は、障がいのある子どもの課題と家族の課題を統合して捉え、対策を施すという意味で、エポックだったのです。
障がいのある子どもの多くは、放課後に出かける場所もなく家の中で過ごすことを余儀なくされています。
家族がそれぞれに支え合う努力によりかろうじて持ちこたえているのが実情です。
結果として、家族もまた地域の中で孤立感を深めることにつながっているのです。
「障害児タイムケア事業」は、必ずしも十分に整備された制度ではかったものの、期待は高まり地域では急速な普及が図られつつありました。
しかし、「障害児タイムケア事業」は、2006年、障害者自立支援法の施行に伴い、地域生活支援事業である「日中一時支援事業」に吸収され、国の制度としてはわずか1年ほどで事実上消滅し、自治体が独自の判断で行う施策としての位置づけに後退しました。
また、障害者自立支援法の施行により、いわゆる児童デイサービス事業も再定義が図られました。