児童発達支援管理責任者となるために求められている実務経験は、直接的に子どもたちの療育に関わった実務経験だけではありません。
たとえば、障がいにおける介護の分野の実務経験でも要件を充足します。
しかしながら、
障がいの介護の現場で積み上げた実務経験が、発達障害のある子どもたちの支援に直接に活きるわけではありません。
ですから、資格の要件を満たしても、“即戦力”とならないケースが少なくありません。
それで大丈夫なの?
と、思われるかもしれませんが、大丈夫だったのです。
大丈夫“だった”としか言えませんが。
従来のように、児童デイサービスそのものが非常に珍しく、比較するものがない時期には、それで大丈夫でした。
そもそも、数年前には放課後等デイサービスで想定する放課後に居場所を必要とする子どもたちを支援する分野の人材が皆無に等しかったのです。
レスパイトと呼ばれる「預かり」で、児童デイサービスに期待される役割を果たすことができました。
サービス管理責任者と呼ばれた方々も、児童デイサービスの中で、手探りでやっていくしかありませんでした。
その中で、レスパイトにも工夫が施され、また子どもたち一人一人に合わせた療育を検討し実践されてきたのです。
しかし、不足しているとは言え、現在では多くの地域では、複数の児童デイサービスが存在し、比較検討されることになります。
新しく放課後等デイサービスを開業する場合に、3年前の児童デイのサービスと同じサービスを提供したとしても、それで利用者の満足を得られるとは思えません。
既存の児童デイサービスや放課後等デイサービスの施設は、すでに子どもたちとともに多くの経験をし、提供するサービスの質を高めています。
サービス管理責任者として経験を積んだ方々は、放課後等デイサービスの事業所では、児童発達支援管理責任者として経験を活かしています。
児童デイサービス、放課後等デイサービス全体の水準が上がってきているのです。
それは、児童発達支援管理責任者に求められる水準が上がっていることを意味するのです。